物語を現実に

この現実世界が、ファンタジーのような感動にあふれた世界になりますように。

話すより聞いているほうが圧倒的に得るものが多い

 人は元々話したがりの生き物である。できるだけ自分のことをわかってほしいし、自分の話を聞いてほしい。共感が欲しいし、同意してほしい。人間は生来そういう生き物だ。当然私自身もそうで、結構よくしゃべるし、自分のことをわかってもらえると嬉しいと感じる。

 しかし最近強く感じるのは、(わかっている人には当たり前のことなのかもしれないが、)自分がしゃべっているより、相手の話を聞いているほうが結果的に得することが多いということだ。

 

 例えば上司の話を聞くにしても、基本的には相手のほうがスキルが高く経験も豊富であり、いい方法を知っていることも多い。自分の話をするのでなく、上司の話をひたすら聞くほうが、自分の中にないものを色々とぶつけてくれるので、多くのインプットを得ることができる。

 さらに相手の「しゃべりたい」欲求も満たせるので、上司にしても「話を聞いてもらえた」という満足感が得られる。結果的に自分に対して好意的になってくれるので、やはりこちらが話を聞いているほうがいいほうに転がる。

 これは上司に限らず、友人や先輩・後輩、彼氏・彼女に対しても言えることで、基本的に相手の話を聞いているだけで、自分一人では得られないインプットが得られ、かつ相手が勝手に満足して好意的になってくれる。とても有用な方法と思う。

 

 ただ、この「話を聞く」というのが曲者で、ただただぼーっと聞いているだけではあまり意味がない。仕事面などにおいても、自分の意見を持っているのが大事で、それを随所でぶつけていくことが、「こいつは何も考えていないわけではない」という評価になる(どのくらいの頻度、量かというのは業界や年数、その人それぞれにかなり左右される)。加えて、入ってくる情報、インプットは正直玉石混交なので、それを上手に取捨選択するためにも、自分の考えをしっかり持っておく必要がある。

 また「話を聞いてもらえた」という状態を作るのにもこれは必要である。相手はただ頷いてくれる人形に話を聞いてほしいわけではなく(そういう場合もあるだろうが)、「違う人間であり、自分の考えを持っている目の前の人が、自分に共感してくれている」という状態が大事なのである。

 自分の考えが相手と一致しているかどうかはともかく、ただ頭真っ白で聞いているより、適宜相槌を入れたり共感するためにも、自分の考え、想いというのはしっかりと持っておく必要がある。

 

 頭はしっかり回して、そのうえで相手の意見をひたすら聞いていく、というこれだけで、インプットの量は格段に上がるし、周りの人が好意的になるし、割といいことづくめだと思う。

 もちろん人間がしゃべりたい生き物であり、これを実践するのは本能に反するところもあるので難しい面もあると思うが、ぜひトライしてみてほしい。私も頑張る。