物語を現実に

この現実世界が、ファンタジーのような感動にあふれた世界になりますように。

依存には社会的つながりが必要

 最近は依存というものに興味がある。なんせ、「やらない」ことにより自分の人生を大きく変えることができるからだ。

 さて最近は依存に関する論文を読み漁ったりしているのだが、基本的な依存の特徴(および診断基準)は以下のものだ。

(1)Tolerance;同じ効果を得るために量が増えていくこと
(2)WIthdrawal;離脱症状のこと
(3)Limited control;自分でコントロールできない。使った後後悔する。でも辞められない
(4)Negative consequences;気持ちや自尊感情、健康、仕事、教育、家族や人間関係に何か悪いことが起こった後でも使うのを辞められない。
(5)Neglected or postponed activities;社会的に必要なこと、仕事、教育、趣味、家事などを、依存物質・行為のためにできなくなったりやらなくなったりする。
(6)Significant time or energy spent;その依存物質・行為を得るため、やるため、やっているのを隠すため、得るのを計画するため、回復するためにものすごい時間を使うこと。これにはそのことを考えてしまう、我慢し・最小限に抑えようとするがそれができないということも含まれる。
(7)The desire to cut down;辞めようと思うけどやめられない。
 
これらが該当していれば、依存という風に言えるだろう。何個該当していればといった話や、実際の細かなところは二種類ある診断基準によって違うところもある。確か3つか4つ以上でよかったはず。
上記の項目は主に物質的依存(タバコ、酒、麻薬)などの依存に対して用いられている項目だが、非物質的依存(ギャンブル、スマホなど)に対しても似たような項目が用いられている。
 
【治療において社会的サポートが結構大事】
治療は主に薬、カウンセリング、認知行動療法などがあるが、これらのほかに社会的サポートの大事さが注目されている。
 家族の支援やコミュニティの支援がある患者は、そうでない患者に比べて復帰率が高く、また再発率も低くなっているという。
 実際に治療者がコミュニティを巻き込みながら治療をしていく、Community reinnforcement approach therapyでは、治療者が患者の再就職を支援したり、新しいコミュニティに接続させたりする治療は、一定の効果を挙げている。
 社会的つながりは患者に色々な面の効力を与えるのだろうが、想定するに、依存物質や依存的行為のほかに得られる刺激や、つながっている安心感などが作用しているのだと思われる。
 ・依存行為をする暇がなくなる
 ・依存行為に頼らずとも快楽/刺激を得られる
 ・依存行為をまたしたくなった時、止めてくれる人たちがいる
 ・周りの人たちを裏切りたくない、信頼を失いたくないと思う
といったところだろうか。
 
 こうしてみると、やはり依存には社会的つながりは非常に重要な回復要因でありそうだ。