物語を現実に

この現実世界が、ファンタジーのような感動にあふれた世界になりますように。

『やらない』改革

 世の中にやったほうがいいことはたくさんある。筋トレはきっとやらないよりやったほうがいいし、勉強はやるにこしたことはない。朝の散歩も音読も、ヨガをすることもいろんなところに旅行することも、きっとやらないよりやったほうがいいのだろう。

 自己啓発系の「5分の○○で人生が変わる!」「朝の30秒の習慣で○○な自分に!」みたいな、なにかを新しく始めることで自己改革を促すようなものはたくさんある。

 

 しかしまあ当然時間は限られているわけで。毎日朝読書して散歩してヨガをしようとするとえらい時間がかかるし、毎日それだけのことを習慣化するのはかなり労力を要する。実際にそういうことの習慣化が得意な人にとっては造作もないことかもしれないが、世の中の多くの人は「やろうと思っていることは多いけれど結局手を付けられていない」という状態だ。そういう状態の時に、新しくやることを増やすのはうまくいいかないことが多い。

 それよりは、「やってしまっているがやめたいこと、減らしたいこと」をやらないようにしていく方が、時間的な意味でも負担的な意味でもやりやすい。

 例えばテレビをだらだら見てしまう、永遠とスマホでゲームしてしまう、帰ったら流れで酒を飲んでしまうなど、自分が辞めたいと思っていることを辞めることで、まず「自分の人生をある程度制御できる」という自信が生まれるし、時間が空くので、何か新しいことを始める余地も生まれる。

 何か新しいことを始めてなりたい自分になるのもいいが、何かやっていることを辞めてみてなりたい自分になるというのは、実は手っ取り早く生活スタイルを変える、自分を変える有効な方法だ。

 酒やたばこに関しては物質的な依存の面もあるが、それらを含めても、多くの「辞めたいこと、減らしたいこと」は精神的な依存の面が大きく占める。場合によっては医者の手助けが必要になることもあるが、まずは自分でトライしてみるのもいいかもしれない。