親が死ぬということ
幸いにもまだ自分の両親は健在だ。
まだ還暦にもなっていない。今の平均年齢を考えれば、当然まだ元気でいてもらいたいところだ。ただ、母親は昔がんにかかったこともあり(なんとか広がる前に見つけることができたが)、少し不安なところは当然ある。しかし、「親がいなくなる」ということに関して、まだリアルに感じられていないところが正直なところだ。
なぜ突然この話になったかというと、今日友の母に癌の全身転移が見つかったと聞かされたからだ。
私の友人はまだ25かそこらだ。当然その母もまだ50代。医者的には「若い」といえるような部類だ。
がんの全身転移は、当然癌の種類にもよるが、分類としては4期、いわゆる完治や根本的な治療は難しく、進行を遅らせたり、症状を緩和させたりするような治療がメインになる。つまり友の母はすでにカウントダウンがかかった状態と言っていいのかもしれない。
もちろん種類によっては5年以上生きられたりするものもある。しかし、自分の母の死が目前に迫る、という感覚はおそらく計り知れない恐怖だろう。私は話を聞いただけで正直その感覚がよくわかったとはいいがたい。
しかし、想像するだけで涙が出てくるくらい怖い。嫌だ。失いたくないと思う。
そんな恐ろしい状態に友がいる。正直なんと声をかけていいのかわからないし、どうしていいかもわからないが、とりあえず話だけは聞いていようと思う。できるだけ友の力になってあげたい。
いつか迫りくる親の死。今日、少しだけ、ほんの少しだけ、それが身近に感じたように思う。