物語を現実に

この現実世界が、ファンタジーのような感動にあふれた世界になりますように。

好きなこと×役に立つこと

 好きなことだけして生きていられればどんなにいいだろうか。そこまでいかなくとも、好きなことを生業にして生きていきたいという人は昨今多い。それは私自身もそうだ。

 ところが、それがいくら好きでも、他人に価値を与えられるものでなければ、仕事として続けていくことは難しい。そして、多くの場合、他人に役に立つ、他人にとっても価値のあるものにするということは難しい。

 なので、多くの人は、仕事は仕事でやりつつ、自分の好きなことは趣味としてやる、となる。

 

 最近は、「好きなことを仕事にする」「遊ぶように生きる」など、好きなことと仕事を一致させようという動きがみられる。

 この動き自体はとても好ましく思う。その中で、どうやって好きなことを仕事にできるか、もっというと、他の人にとっても価値のあるものにできるか、という視点に関しては、まだまだ自分自身考えが足りていないように感じた。

 

 私自身は物語というものがとても好きである。主人公たちが苦難を乗り越え、圧倒的な感動を実現していく様に強く憧れ、自分も同じような感動をこの世界に創りたいと熱望する。それを実現する方法はいくつかあるが、一つは先人たちと同じように物語を書くこと、他にはこの世界の人たちのキャリア教育などを通して、人々の中に感動の土壌を作っていくなどがある。

 しかし、例えば小説で食っていこうとするには、文章力やストーリーの構成力、話が矛盾しないことなどの基本的なことから、メッセージ性、ワクワク感、世界観の深さなど、多くの、多くのことが求められる。それだけでなく、定期的に一定のものが書けることなど、社会人としてのアウトプットが問われる。これらをクリアしないで、自分の好きなことというのを仕事として実現するのは難しい。

 もし医者をやりながら片手間で趣味で書くならいいかもしれない。しかし、好きなことを仕事にするなら、それら多くの困難を乗り越えて、人々の心に訴えかけるような、人々にとって価値あるものを書かなければならない。ここの差は非常に大きい。

 今は小説を書く、ということを一例に取ったが、例えばキャリアアドバイザーにせよ、コミュニティづくりにせよ、それを仕事にしようと思うなら、自分が好きというだけでなく、「どうやったら人々の役に立つだろうか」ということを考えないといけない。

 まだまだ考えが甘いということを認識しつつ、これからはもっと「人々にとって価値があるか」という点をしっかり考えていきたいと思う。