物語を現実に

この現実世界が、ファンタジーのような感動にあふれた世界になりますように。

社会への出方その②

 つい昨日、社会への出方について相当悩んでいたのだが、たまたま昨日の夜、その答えの形の一つを目にすることができた。

 たまたま地域医療で活躍されている医師の方と飲みに行く機会があった。まあ行ってみれば普通の開業医のお医者さんとも言えるが、いろんなところにパイプを持ち、遠くから著名な先生を呼んで講演会を主催し、国際学会に何本も論文を出し、途上国での医療支援にも携わる、パワフルなお医者さんである。

 そんな彼の面白いところ、というがすごいところは、思い立った時、話が出たとき、すぐに関係各位に電話して、段取りを始めてしまうことである。「この先生を主体に講演会をやりたいから、○○先生来てくれ」といった話を、酒の席でもなんでもすぐに電話して話をつける。スピード感であふれている。

 さらに面白いところは、それで実際に話が進むことである。つまり、彼が今まで周りの期待や信頼にきちんと応えてきていて、それが積み重なって周りが彼の動きを助けてくれるようになっているのである。

 もちろん彼は開業医なので、地域の患者さんの診療をきちんとしているわけだが、その治療の一個一個できちんと結果を出し、医療の中でも新しいことに挑戦し、実際に論文として形にして、人にものを頼まれれば断らず全力で応え、そうしてどんどん動きながら、周りの人を巻き込みながら多くの目に見える形、成果を生み出し続けている。

 

 昨日自分は、どうやって社会に出ればいいのか、お前はまだ社会を知らないといわれたが、実際にどうすればいいのか、と思っていたが、これが一つの答えだと感じた。

 つまり、周りの人の期待に答えながら、目に見える成果を一つ一つ積み上げ、実際に形にしていくこと。そうして能力と実績を積み上げていくこと。これがいわゆる「社会に出る」ということだと感じた。

 もちろんその過程でたくさん意見の相違とぶつかったり、できなかったりダメだったり挫折したりいろいろあるのだろうが、そういうのをすべてひっくるめてそれでも成果を出していくのが、いわゆる社会に出るということで、それが私に足りないということだったのだろう。 逆に言うと、価値観の違う人と接するとか、共感が大事とかは、その過程で必要になってくるものなのだ。

 ひょんなことから考えていたことの一つの答えが見つかったことに私は驚き、またうれしかった。そうと決まれば、まずは目に見える形を一つ一つ積み上げていくことからである。