物語を現実に

この現実世界が、ファンタジーのような感動にあふれた世界になりますように。

2019年6月23日はレジナビ東京(医学生の勧誘)

 今年もこの時期がやってきた。レジナビ東京の時期である。

 普通の一般学生に合同就職説明会があるように、医者の世界でも病院説明会がある。まあマイナビリクナビの合説みたいなもんだ。

 全国色々な病院がブースを出展して、就活やマッチングを控えた医学生がたくさん集まってくる。

 残念ながら東京、大阪、名古屋、福岡などの主要都市部でしか基本開催されないため、地方医学生も遠征して来る。自分の出身の大学にそのまま残るやつもいれば、自分の実家の近くに戻ってくるやつ、都市部に出てきたいやつ、全く関係ないけど尖った病院を選びたくて来るやつ、いろんなやつが集まってくる。

 

 当然私自身も医学生時代にいっているのだが、今回は去年に引き続き、勧誘側として参加する。そして、医学生時代、病院側の人間と経てきて共通して思うことがある。それは「医療界の圧倒的プレゼン力の欠如」だ。

 

 まあ平たく言うと合説なんてのはご挨拶みたいなもので、そこで企業や病院の全てを理解しようなんざむりげーである。

 学生もそれをわかっているから、興味のあるところはもちろん最初から目星をつけているにせよ、そのほかに面白そうなところがないかなあと思ってふらふらしていたりするのだ。 

 もう一つ言うと、学生からすると、正直働いていない段階なので、いろいろなことに対しての実感値はわかない。わかりやすいのは給料、場所、忙しさ、当直回数、どの診療科が強いか、くらいで、その他の救急車の搬送件数がどうだとか、内視鏡検査を年何回やってるとか、そういうことは全然言われてもわからないのだ。

 ところが困ったことに、病院側の勧誘がへたくそすぎて、自分のしゃべりたいことを一方的にしゃべる病院(の担当者)が多い。多分魅力をアピールしたいのだろうが、細かい数字ばかりだし、こっちの聞きたいことには全然ヒットしてないし、あまりこちら側のニーズをくみ取ろうという様子は見られない。

 人気の病院は研修医もたくさん来ており、数と物量、わいわいした雰囲気でなんとなく人を集めているが、弱小病院はかなり勧誘の仕方から説明の仕方まで工夫しないと、人はなかなか集めにくいように思う。

 そんな弱小病院である当院もそういう工夫が必要なように思うのだが、むさいおっさんばかりが集まって定型的な説明しかしないような、いかにもむかしむかしの大企業のような出で立ちで行くことになりそうだ。

 せめてしゃべり方は工夫していこうと思うが、果たしてどこまで健闘できるか。