物語を現実に

この現実世界が、ファンタジーのような感動にあふれた世界になりますように。

今と昔で必要な能力は違うよ

 今生きている若者は、親の世代とは全く違う時代を生きている。

 いろんな面でそうなんだけど、今回は特に能力について考えてみよう。

 昔は日本は経済的にとても強かった。なぜか?世界各国の人が発明し、でもいろいろな理由で量産できてなかったものを、日本人がまねして、改良して、みんなが同じように頑張って働くことで、良い品質のものを大量に生産し、市場を制覇することができたからだ。しかも昔は技術の進歩がまだゆっくりだったので、同じ技術、同じ商品のシリーズで長く優位に立てていた。

 

 今は違う。特にIT技術、AI技術の進歩で、技術の発展速度はものすごく上がった。もはや数年前の技術はすぐに古くなってしまう。技術だけでなく、その結果として生まれる仕組みや、ビジネスのモデルもどんどん変化し、昔のやり方はもはや全然通用しない。たかが10年前のビジネスモデルですらもう古くなってしまうのだ。しかもITのおかげで、働く側の人数が少なくてもスケールさせる(つまり大規模に展開する)ことが簡単になった。

 そんな時代の中、必要になってくるのは、「技術のアップデートを怠らない」「変わっていく環境についていくサバイバル能力」と「自分オリジナルのコンセプトを貫いて巻き込む力」に変わってくる。

 昔はどんな力が必要だったんだっけ?「一つの技術に長けている職人orなんでもできるスーパーマン」「ある程度決まっていることを効率よくこなしていく力」「いわれたことを同じように再現できる力」が求められていた。そのためにみんなと同じようにいい大学に行って、いい会社に就職して、みんなと同じ枠で勝負して結果を出して昇進していく、というストーリーが普通だった。親の世代は今でもそうだと信じているだろう。

 でも今の時代に必要な能力を見ると、そんな親が言うようなやり方をしていたら、身に着けるべき能力が身につかない。今必要なのは、今ある枠の中で戦う能力ではなく、これからどんどん生まれるであろう新しい枠組みに対応し、なんならその枠組みを作っていく能力だ。

 残念ながら小・中・高そして大学ですら、会社ですら誰も教えてくれないけど、これは財務省がすでに資料としても挙げている内容だ。

https://www.mof.go.jp/pri/research/conference/fy2017/inv2017_04_02.pdf

(“シン・ニホン” AI×データ時代における⽇本の再⽣と⼈材育成)

 また、少し前に有名になった本、LIFE SHIFT~100年時代の人生戦略(リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット著)においても、似たようなことが書かれている。

特にLIFE SHIFTについては、今の仕組みで生きている人たちに対し、データを使ってきちんと警鐘を鳴らしているいい本だ(書いていることは割とありきたりだが、古い体勢から発想的に脱却できていない人にとってはとても有効だと思う)。

 

 本当に親の言っていることが正しいか、先生の言っていることが正しいか。もちろん断言はできないが、正直時代遅れな面は多い。本当に必要な能力は、残念ながら今の日本ではだれも教えてくれない。自分で探そう。

 

 本日のまとめ

1. 昔は決められた枠の中で、効率よくバリバリ働ける人がすごかった。

2. 今は技術の進歩やその速度により、必要な能力は違う。必要なのは適応力と、自分のオリジナルのコンセプトを持つこと。

3. 親の言うこと、先生の言うことは古い世代の考えであることが多いので、うのみにしないこと。必要な能力は誰も教えてくれない。自分で探す。