物語を現実に

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人に関心を示すかどうかが自閉症かどうかの見極め

 これはこの前1歳半、3歳時の健診をしていた時に思ったことである。

 昨今はADHD自閉症の簡易チェック表などがネットにあふれかえっていて、自分の子どものちょっとした行動で親がすぐに不安になり、チェック表に当てはめて、「うちの子はきっと自閉症とかADHDなのではないか」みたいに心配して健診に来られる方も多い。

 その中に本物ももちろんいるのだが、実際にはほとんどが杞憂であることが多いように思う。チェック表に当てはめてみれば半分以上当てはまっていたとしても、実際にはそうでないことが多い。例えばよく自閉症の子どもの特徴として言われる「こだわりがある」だが、例えばどうしても右の道を行きたがったりとか、同じ食べ物を食べたがったりなどしていても、いつもいつもそう、例えば見知らぬ土地に行ってもそう、生まれてこの方数種類のものしか食べない、とか極端にこだわりがなければ、大体は無視できるものである。ただ気になって、どうしても我が子のちょっとしたこだわりを、自閉症の特徴に当てはめてしまったりするその心配な気持ちは多少わかる。

 実際問題多くの特徴があるわけだが、個人的にそこらへんを見分けるポイントとしてなにがあるかといえば、「人に関心を示すか」というところだと思う。

 関心を示す、というのは必ずしもプラスでなくてもよくて、例えば見知らぬ場所で知らない大人と会った時、親の後ろに隠れたり人見知りをしたり、緊張してしゃべれなくなり、下を向いて目線を合わせないというのもそうだ。それは「知らない人がいるという環境」をよく察知しているわけで、言い換えるならそれだけで人に関心があるからこそできているともいえる。もし本当に自閉症の子なら、そこで全く興味を示さず、ある意味いつも通り行動するだろうし、こちらの問いかけにも全くとんちんかんな回答をしたりする。

 もう一つ見極める点といえば、「コミュニケーションが成立するかどうか」であろう。簡単に言うと、こちらの問いかけや言葉に、なんらかのアクションがあるかどうか、ということだ。

 もちろんこちらの問いかけにきちんと答えられればそれでばっちりだが、そうでなくても「緊張して俯く」「お母さんの方を不安そうに見る」「親の後ろに隠れる」など、なにかしらこちらのアクションに対して行動が起きていれば、それはある意味コミュニケーションが取れているといえる。また、質問に対してとんちんかんな答えが返ってきたとしても、意味が理解できてなかったり、まだ発達がそこまで追い付いていなかったりするだけのこともあるので、それだけですぐ自閉症などに飛びつく必要はない。

 ただこの場で「完全にこちらを無視する」「こちらの言うことを全く聞いていない」などがあれば、少し自閉症の可能性も考慮する必要があるようにも思う。

 

 まだ勉強中の身なので正確な診断というのはどこまで行っても難しいと感じるが、少なくとも多くの親御さんの心配は杞憂なんだなあとは感じた。

 もし気になるなら、初対面の大人に対し、どういう反応を示すのかで見てみるのもいいかもしれない。