気にかけてくれる人がいるっていいなあって思ったこと。
ちょっと普段のお固い話から外れて。
私は今のところは一人の医者として毎日診療に明け暮れている。
そして当然だがいろんな患者さんがやってくる。
死にそうな重症な人もいれば、ただの便秘でおなかが痛い人もいる。
断固として入院したくない人もいれば、軽い症状でも入院したい人もいる。
個性は人それぞれだ。
ただ重症な患者さんで、入院し、毎日診察・治療をしているときにどうしても違いを感じる点がある。
それは、気にかけてくれる家族がいるかどうかだ。
毎日ご家族が入れ替わり立ち替わり面会にいらっしゃる患者さんもいる。奥さん・子ども・孫から兄弟、甥っ子姪っ子まで様々な人が会いに来る患者さんもいる。
一方で、一週間に一回も顔を見せず、ほとんど姿を見に来ない家族しかいない患者さんもいる。そもそも家族がいない患者さんもいる。
私は別に結婚はすべきだとか、子どもはいたほうがいいとかについて強く思うところはない。自分の好きなようにすればいいと思う。
しかし、そういった、自分が弱った時に来てくれる人がいるというのは、なんとも心強いし、すごくうれしいことだなあと思った。
家族が来てくれてうれしそうにしている患者さんを見ていて、自分もうれしくなった。こんな風に誰かを助けたり助けられたりできればいいなあと思った。
元々はどちらかというと一匹狼タイプというか、「誰にも頼らねえ俺は自分の力で生きていくぜ」みたいに考えていたのだが、医療の現場に入って、考え方が変わった点でもある。
別にこれからの時代、家族でなくてもいいとは思う。家族は上手く作用する時もあるが、虐待やネグレクトのように、良くないつながりを作ってしまう時もあるから。
ただそんな、強い、頼り頼られるきずなを作れたら幸せだなあと感じた。