物語を現実に

この現実世界が、ファンタジーのような感動にあふれた世界になりますように。

学校では教えてくれない「短い時間単位でお金を稼ぐ」の基本

 ずいぶん壮大なタイトルになってしまった。しかしここで書くことは別に「この商材を買えばだれでも大金持ち!」とか「投資をしろ」とかそういうことじゃない。あ、いや投資をすること自体はすごくいいことだと思うのだが…。

 

 以前学校に通っていたものとして、そしてキャリア教育の一環で高校などに授業に出向いていたものとして、学校では教えてくれてないなーと思ったことを一つ書いておこうと思う。

 特に日本においては、「真面目に働くこと」が美徳とされる。真面目に働いていればいつかは報われる、というやつだ。

 この考えは間違えではないし、世界中の多くの国が割とちゃらんぽらんな中、日本人はとても勤勉でいいなあと思う。

 だが「真面目に長時間働く」=「お金をたくさん稼げる」ではないことは常に頭に入れておかなければならない。

 そんなの当たり前じゃん?という声が聞こえてきそうだが、日本では往々にして「真面目に働いたのになんでこんなに収入が少ないのか」「楽して稼ぐのはずるい」とかいう発言をよく聞くし、しかもそれがかなりの共感・賛成を得ていることが多い。

 特に「私はこんなに苦労しているのに収入が少ない、あいつは苦労していないのにお金をたくさん稼いでいる」みたいな嫉妬が良く見受けられるが、これは大きな勘違いである。

 

苦労しているかどうか、時間がかかったかどうか、それは稼ぎとは全く関係ないのだ。

 

【代替不可能であるか】

上記の話、当たり前の人にとっては当たり前で非常に申し訳ないのだが、稼ぎとは、時間や苦労ではなく、「その人が作り出した価値」の量で決まる。

例えばある人が10時間かけて椅子を一つ作ったとしても、別の人が1時間で同じ椅子を作ったら、それは全く同じ価値になる。

 現代の社会においては、大体のものは多くの人の協力の結果できるので、正確にその人の成果を量ることは難しい。なので大体は1時間の仕事あたりにこの仕事だとどのくらいの貢献度になるか?という予測が立てられ、そしてそれに対し「見込みの」給料が支払われることになる。

 例えばビルの建設において、とび職の貢献度はどれくらいか?というのを過去の事例やかかりそうな時間、難しさから予測を立てて、それに対して労働者に対し「見込みで」給料を出すこととなる。

 そしてその仕事が難しいほど、その仕事が「誰にでもできるものではなく、替えが利きにくい」仕事だと、より多くのお金が支払われるようになる。

 医者という仕事は比較的高給取りな仕事だが、それは医者という仕事が難しく、まただれにでもできるわけではない、替えが効きにくい仕事であるからだ。大変な仕事であるから、ではない。

 コンビニの店員だってもちろん大変な仕事だろうが、多くの人間ができる仕事だ。だからこそ、時給800~1000円ほどの、比較的安い賃金になりやすい。

【仕事ベースだけでなく、人間ベースでもいえる】

 今までは大きく職種ごとに話をしてきたが、これは個人個人にも当てはまる。野球選手そのものは多いかもしれないが、イチローは野球がとてもうまかったから、アメリカでプレイして、一年あたりより多くのお金をほかの選手より稼いでいる。それは彼がほかの選手に比べてヒットをたくさん打って、たくさん塁に出て、たくさん点を稼ぐという「価値」を出すからだ。

 世の中に生物学の研究者はたくさんいるが、iPS細胞の研究でノーベル賞を受賞した山中教授も、やはり彼だからこそできたその「価値」があればこそ、多くのお金や地位を得ることができている(実際にどのくらい稼いでいるかは存じ上げないが)。

 結局は、その人がどんな「価値」を作れるのか、そしてそれを作れる人はどれくらい少ないかでお金の稼ぎ方は決まる。真面目に働くこと、長時間働くことは全く関係ない。例え寝ずに休まず働こうが、ほかの多くの人でもできるなら、それはお金にはならない。

 【じゃあどうすればいいの?】

 じゃあ私にしかできないことをしよう、といってもそうはいかないのがこの世界の難しいところ。イチローは野球が圧倒的にうまいから価値なのであって、人並みにできても価値にはならない。漫画家や芸術家は、その人にしか創れないものという意味でとても価値があるが、それが世間に認められるかどうかは別だ。

 ではどうするか。いくつか考え方はあるのだろうが、私は二種類の方法を提示しておきたい。

 一つは、ある業界において「100万人に1人」を目指すこと。これは野球選手で言うイチローや、将棋でいう藤井七段のようなスターを目指すことに近い。今ある業界でスターを目指すことは、今も昔も価値がある。

 

 もう一つは、これは元リクルートで元奈良市立一条高等学校校長の藤原和博さんの考え方でもあるが、領域を掛け合わせることで、新しい業界を作ってしまうこと。

 例えばネイルアーティストというのは昔は存在しなかった。ネイルをするというのは昔から、爪をきれいにするみたいな名目でやっていて、それにアートを掛け合わせたら面白いんじゃね?と考えた人がいたために生まれたのだ。

 当然だれも考えたことがないので、その領域では第一人者、もしくは一人目ではなくとも、その業界の人がすごく少なく、そしてそれが世間に認められれば、それは数少ない人にしかできないすごい価値になる。

【レアな人になれ】

 もしこれから「短い時間単位でお金を稼ぐ」人になりたいと思うなら、自分の価値を高める、要は「レアな人」になるという発想を持ってほしい。自分にしかできないことを増やして、自分の価値を高めるのだ。人間の中での「レアカード」になれば、短時間でお金を稼ぐことは容易になろう。